2018年8月28日に発生した台風21号は,最低気圧915 hPa の「猛烈な」勢力に発達したのち,「非常に強い」勢力を維持したまま9月4日に徳島県に上陸しました。「非常に強い」勢力の台風が上陸するのは25年ぶりのことです。上陸後速度を上げて関西地方を通過し,暴風域を伴ったまま日本海沿岸を東北から北海道まで移動しました。
台風21号は広範囲に深刻な強風被害をもたらしています。11名の方が亡くなられました。多数の建築物が損壊し,飛散しました。倒木や車両の横転も数多く報告されています。交通障害,大規模停電など日々の生活にも多大な損害を与えています。
被害に遭われた皆様に,心よりお見舞い申し上げます。また復旧活動にあたられている皆様ならびにさまざまな支援活動に携わられている皆様に深く敬意を表します。
日本風工学会は,近年まれに見る甚大な強風被害をもたらした台風21号の被害調査を関係する諸機関とともに実施します。その調査・分析を通じ,強風災害の低減ならびに安全・安心な社会を目指す所存です。
2018年9月6日
一般社団法人 日本風工学会 会長 野村卓史