(2007年4月30日発行,定価 20,900 円 [本体 19,000 円+税])日本風工学会 朝倉出版 ISBN:978-4-254-26014-4


handbook071982年6月に本会が設立されてから四半世紀が経過しました。その記念事業の一つとして企画された本会の編集による「風工学ハンドブック」が,今年の5月に完成し朝倉書店から出版されました。風工学に関係する百人を超える専門家によって執筆されたこのハンドブックは,気象学,流体力学,耐風設計,強風災害,環境問題,風力エネルギーに至る風工学に関連するあらゆる知識の集大成であるとともに,これからの風工学の発展の基礎となるものです。台風や竜巻に伴う強風被害が社会でも注目を浴びている昨今の状況のなか,会員の皆様方には,是非このハンドブックを座右において,風工学に関わる問題の解決等にお役立ていただけたらと思います。また,風工学に興味のお持ちの方にも是非お勧め下さるようお願いします。

1章 自然風の構造
 1.1 大気の構造
 1.2 自然風の成因
 1.3 強風の乱流構造
 1.4 強風の統計

2章 構造物周りの流れ
 2.1 構造物周りの流れ場の特徴
 2.2 はく離と粘性
 2.3 流れ場の基礎方程式と理論解析
 2.4 カルマン渦列とエッジトーン
 2.5 各種構造物周りの流れ

3章 構造物に作用する風圧力
 3.1 風力の発生
 3.2 静的な風圧力
 3.3 動的な風圧力 

4章 風による構造物の挙動
 4.1 構造物の風による振動事例 
 4.2 空力振動の種類と発生機構 
 4.3 空力干渉問題
 4.4 振動に及ぼす因子
 4.5 振動制御,耐風安定
 4.6 耐風設計における空力振動現象への対応

5章 構造物の耐風設計
 5.1 耐風設計の手順 
 5.2 設計風速の算定 
 5.3 風荷重の評価 
 5.4 各種耐風性能と対策 
 5.5 風応答の抑制 

6章 強風災害
 6.1 強風災害概論 
 6.2 強風災害をもたらす風の種類 
 6.3 建築物の強風被害 
 6.4 橋・土木構造物の強風被害 
 6.5 建設工事の強風被害 
 6.6 文化財の強風被害 
 6.7 電力関係施設の強風被害
 6.8 鉄道の強風被害 
 6.9 道路の強風被害 
 6.10 航空の強風による被害 
 6.11 農業関係の強風被害 
 6.12 強風災害に関する損害保険 
 6.13 自治体の防災 
 6.14 強風災害の調査と分析 

7章 風 環 境
 7.1 都市・建築近傍の風環境 
 7.2 都市,建築近傍の汚染質拡散
 7.3 通風・換気 
 7.4 広域拡散と防風雪 

8章 風力エネルギー
 8.1 風力エネルギー資源 
 8.2 風力エネルギー変換 
 8.3 生活の中の風力発電 

9章 実   測
 9.1 測定項目と各種測器 
 9.2 実物での実測 

10章 風洞実験
 10.1 風をつくり出す装置,測る装置―既存の技術と最新技術― 
 10.2 目的別の実験法
 10.3 風洞実験の基本 
 10.4 逆引き風洞実験 

11章 数値解析
 11.1 離散化方程式と解法 
 11.2 乱流モデル―ブラフボディ周りを中心として― 
 11.3 流体シミュレーションの応用 

付 録 強風災害と耐風設計の変遷の一覧
索 引
コラム TVL 法 
ウェーブレット解析