header

第23期会長挨拶

コロナ後の日本風工学会

日本風工学会第23期会長 奥田泰雄

okuda 2020 年5 月20 日の社員総会後の理事会において,昨年度に引き続き第6 期(通算23 期)会長に選出されました。昨年に引き続き,会長の任に就くにあたり一言申しげたいと思います。

  100 年前のスペイン風邪以来の新型コロナウイルスの世界的な流行により,各地で都市封鎖が行われるなど前代未聞の事態になりました。2020 年 6 月 14 日の時点でも全世界で累計感染者が約740 万人,死者が 43 万人超という未曽有の被害が発生し,感染拡大の勢いはまだ衰えを見せていません。わが国でも政府が 2020年 4 月に緊急事態宣言を発令し,自治体はそれに基づいて,マスク着用や手洗い励行などの感染防止の徹底, 不要不急の外出の自粛要請,イベント等の開催自粛要請,施設の休業要請などを行って,感染拡大の防止に努めました。政府や自治体の対応の遅さや緩さも指摘されましたが,幸いなことに現時点では感染者数や死者数が海外の被害の程度までにはならない状況で推移し,2020 年5 月中には国内の緊急事態宣言は全て解除されました。

 日本風工学会でも,本会が主催する講演会や懇親会の自粛,委員会や研究会などでのオンライン会議の推奨などの対応を取って参りました。社員総会においても,当初会場として予定していた東京大学山上会館が使用できなくなったことから,急遽総会会場をつくば研究支援センターに移し,オンライン会議を併用して開催することになりました。また,総会の開催案内や総会資料は5 月連休明けまでには全正会員にお送りいたしましたが,在宅勤務などにより,開催案内等が会員のもとに届かないことも想定されたため,自宅等への郵送, メーリングリストによる送付など,いろいろ試行錯誤をしながら準備を進めました。一時は総会の成立が危ぶまれることもありましたが,会員の皆様からご理解, ご協力をいただいた結果,総会を無事に成立させることができ,第6 期(通算 23 期)学会活動を円滑にスタートすることができました。会員の皆様のご理解,ご協力に対し篤く御礼申し上げます。

 このコロナ禍により,手洗いやマスク着用の励行, テレワーク,オンライン会議,緊急事態宣言,都市封 鎖,外出禁止,移動禁止,大規模イベント禁止などな ど,この数カ月のうちに急激に社会が変化しているよ うに思います。また,今後は第2 波,第3 波の感染の流行があるとも言われており,今後しばらくはこのよ うな社会の変化が継続すると考えられます。さらに, 90 年前の大恐慌に匹敵するような世界的な不況が今後到来するということもマスコミ等で騒がれています。

 このような大きな社会の変化に対し,日本風工学会の学会活動はどのようになるのか,あるいはどのように活動すべきか,今期の理事会では継続的に検討したいと考えています。具体的には,財務健全化の推進,将来構造WG の設置,理事会や委員会等のオンライン会議やペーパーレス化の推進などです。

 昨年度の学会の収支はほぼ±0 円程度に納まりましたが,例年会員の減少や会費収入の減少に伴い数 10~100 万円程度の赤字を計上してきました。このためこれまで, 正会員会費の見直し,事務業務の簡素化,学会誌印刷費 の見直しなど,学会財務の健全化に向けた検討を進めて 参りました。今後,世界的な大不況になればこれまで以 上に会員の減少や被害収入の減少が予想されます。その ためにも学会財務の健全化を推進し,持続可能な学会を 目指したいと考えています。

 将来構想 WG は,昨年設置した国際会議招致検討 WG を発展的に解消し設置したワーキンググループです。近年 ICWE などの国際会議を招致すべく何度か立候補しましたが,国際会議を招致することができませんでした。そこで昨年度長期的な戦略をもって国際会議招致を目的とする国際会議 WG を設置しました。しかし,国際会議招致だけでなく長期的な学会の活動方針なども含め広く議論すべく将来構想 WG に衣替えしました。まさに,コロナ後の学会の将来像について検討していただきたいと考えています。長期的な戦略について議論するため,若手会員を中心にある程度委員を固定して WG を構成したいと考えています。今後委員の公募も予定していますので,関心のある会員は奮ってご参加ください。

 理事会や委員会,研究会の支出の大半は,委員旅費, 会場借上費,資料印刷費などであり,オンライン会議によりこれらの支出を大幅に抑えることが期待されます。委員旅費が嵩むことから,遠方の会員が委員会や研究会に出席することが難しいことがこれまでありましたが, オンライン会議を導入することにより遠方の会員でも積極的に委員会や研究会などに参加することができるようになります。さらに,首都圏の会員も含め会議参加のための移動の時間を節約することもできます。また,会議資料は全てデジタルファイルになるため,資料印刷費なども不要になります。ただし,まだオンライン会議システムの回線が不安定になることや上手くログインができないこともあり,改善の余地もあります。これまでのところ,オンラインによる社員総会での議決までは想定していませんが,近い将来このようなことも可能になるかもしれません。今期の運営・学術委員会においてオンライン会議の課題や可能性について多角的に検討してもらいたいと考えています。

 コロナ禍という全く想定外の災禍により,本会も否応なく対応を迫られることになりましたが,このような禍を転機として,社会の変化に合った学会のあり方について理事会で検討して参りたいと考えます。
残念なことに今年の年次研究発表会は中止になってしまいましたが,来年の年次研究発表会は熊本大学で開催することを予定しています。来年は一般セッションの年ですが,研究会の成果発表の場でもあるオーガナイズドセッションも開催する予定です。来年は,オンラインではなく対面式の年次研究発表会で,会員の皆様にお会いしたいものです。

本記事は、2020年7月に日本風工学会誌第45巻第3号(通号第164号)に掲載されたものです。

Google検索(jawe.jp内)

賛助会員

風工学用語データベース

1989年の風工学会誌第40号に掲載された風用語集が作成されてから20年以上が経過しており,その間に新たな解析手法, 計測手法などが用いられるようになっている。

Read More

Back to Top